江戸前手打ちそば蕎茶亭まるやま(三重県)丁寧な仕事が光るお蕎麦屋さん

レポート提出者:うしおさん

菰野町役場の近く、国道306号を少し脇に入ったところにあります。看板も暖簾も出さずに、5年ほど前からご夫婦で営まれている、お蕎麦屋さんです。住居部分と店舗部分のバランスがちょうどよい加減で配され、そしてさりげなく和の趣を感じる建物です。
お昼時も過ぎた時間とあって、駐車場を一見する限り、先客はおられないようです。外からは中の様子をうかがい知ることができず、営業中の立て札もないため、恐る恐る扉を開けました。
奥様の明るい声に迎え入れられ、少しホットしながら席に着きます。こぢんまりとした空間でテーブルどうしの距離もわりと近いのですけれど、吹き抜けの高い天井とモノトーンな色調でセンスよく統一された店内が、窮屈さを感じさせません。
また、クローズドキッチンの上、天ぷらものを扱っておられない為か、年月を経た飲食店の空間に沁みついているような、もしくは漂っているような、それぞれの食べ物特有のにおいがなく、空気が非常にクリーンです。
シンプルなメニューの中から、せいろと玄碾きの二種が楽しめる「合わせ」をお願いしました。清潔な空間、落ち着いたBGM、蕎麦茶の香り、思わず深呼吸をしてみたくなりました。大きく吸って、ゆっくりと吐く。一回、そしてもう一回。からだの外側、今いるその場所が自然につくり出している気分が、からだの内側を循環し、不思議な心地よさを覚えさせてくれます。

ご主人の注意深く入念な水切りの音が響き、まずはせいろが運ばれてきました。江戸前の上品な、細く綺麗に切りそろえられた白っぽいお蕎麦は、角がたち、瑞々しく、いきいきとした感じがします。そのまま一手繰り。かすかに鼻をぬける香り、なめらかなのど越し。
次に、汁につけて頂きます。汁は辛口で、濃い塩味の後からかつおの出汁がふわっと香るものです。非常にすっきりとした後味です。お蕎麦と合せるとバランスが良く、そのままで頂くときよりも甘味を感じます。
薬味のすりおろされた生わさび、丁寧に水にさらされてシャキッとしたお葱、長野県の南部、下條村親田地区の辛味大根もそのままに、お箸が進みます。
もう少しで食べ終わりそうな頃、せいろとは打って変わった、みるからにワイルドな色の濃い、玄蕎麦碾きの田舎そばが、ざるで供されました。香りはみためほど強くないものの、食感が素晴らしく、噛んでいると穀物の甘味を濃厚に感じます。こちらは、先程の辛味大根との相性が最高です。さわやかな辛さと、お蕎麦の甘味、そして汁の旨み、それぞれが矛盾も衝突もなくいったいとなって絶妙です。最後に、ほどよくクリーミーなそば湯を頂きました。

【 店 名 】江戸前手打ちそば蕎茶亭まるやま
【 読 み 】えどまえてうちそば きょうさていまるやま
【 電話番号 】059-394-0530
【 住 所 】三重県三重郡菰野町潤田2097-1
【 アクセス 】国道306号 潤田交差点より約200mを左折すぐ 
       国道306号 菰野大橋北交差点より約400mを右折すぐ
【 営業時間 】昼11:30~15:00(オーダーストップ 14:30)
【 定 休 日 】火曜日 水曜日
【ひとり分の平均的な予算】昼 1000円~2000円
【 予 約 】可
【クレジットカード】不可
【 個 室 】無
【 席 数 】4テーブル16席
【駐 車 場】有(店舗前に7台)
【 煙 草 】禁煙
【アルコール】有
【店のホームページ】http://kyosatei.web.fc2.com/index.html